干支を食べ脳がバグって笑い合いアパートメントで旅本を読む

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引っ越しの準備が着々と進んでいる。
物件が決まってから入居日がなかなか決まらずやきもきしていたが、結局「3月中ならいつでもいいですよ」ということになり、ばたばたとスケジュールを確認して3月末に引っ越すことが決まったのだ。

新しい家は会社にも近く、間取りもほぼ希望通りだ。自分の部屋は和室。布団で寝るのは久しぶりだが、何だか毎日旅館に泊まっているみたいな楽しさを味わえそうで今からわくわくしている。単純だ。この単純さで面白おかしく生きていきたい。

 

金曜日の夜は約1か月ぶりに氏と会う。私がやらかしたポカに対して頭ごなしにめちゃくちゃに怒られて私も大人げなくへそを曲げた。

磯丸水産でカンパチとほたての刺身を食べる。うまい。カンパチがすこぶるおいしかったので、何だか怒っているのが馬鹿らしくなって、ふざけた。実は内心このふざけが吉と出るか凶と出るか分からず怖かったのだが、向こうも少し感情的になってしまったと後悔していると言っていたし、最後は諦めたように笑っていた。それがいいことなのかどうかは分からないけれど、私はもうどこまでも私としてしかいられないので、そこは諦めてくださいねと常々思っている。

 

昨年末に谷根千を散歩したときに作ってもらったいのししの飴細工がそのままになっている。ずっと飾っていたのだけれど、引っ越さないといけなくなったので2人で食べた。甘い。こういう時、「あまい」と「うまい」は同義だ。

氏は歯で頭を噛みちぎったりなかなかアグレッシブな食べ方をしていた。「干支を食べているぞ」という心持ちが何だか良かったので、毎年の恒例行事にしたい。

 

土曜は昼過ぎに出掛けようね、と予定を立てていたが、結局2人で二度寝三度寝としてしまい、出発したのは夕方の4時とかその辺りだった。

1時半くらいに2人で同時に目を覚ました時に、お互いに顔を見合わせて「寝ちゃったね」と言い合ったのだが、その0.5秒後くらいにまた2人とも寝た。ああいう瞬間はいくつあってもいい。もしこの先我々2人が他人同士になったとき、私は多分あの一瞬のことを思って泣くだろう(何なら今も泣けそうなくらいだ)。

 

そうして新宿へ向かい、パスタを食べる。氏はお茶漬けパスタとかいうものを頼んでいた。食べながら笑っていたのでどうしたのかと尋ねたら、「パスタを食べると思って口に運んだらお茶漬けの味がして笑っちゃった」と言う。体験してみたくて一口もらったら本当にその通りだったので私も笑った。脳がバグる感覚を共有できるのは楽しい。

 

腹を満たしたあと、ずっと行きたかったTSUTAYA BOOK APARTMENTへ行く。
少し前にTwitterで同人作家向けのツイートがバズっていたせいか(どうかは定かではないが)、夜の時間帯でも女性専用エリアは埋まっていた。

pathee.com

5階のグランピングエリアで旅本を読む。精神年齢が幼稚園の頃から成長していないので本当はミッケがやりたかったのだが、絵本類は6階の女性専用エリアにしかなかったようだ。

男女共用部というだけあって、本当にどこを見てもカップルしかいない。視線の先でいきなり若い男女が熱い抱擁を交わし始めた時は「おっやってんな」と思ったが、程度の差というだけで我々も横に並んで寝転んだりしていたので沈黙を守った。

3時間はさすがにもてあますだろうかと思っていたが、やれ石垣島に行きたいだの瀬戸内海も良いだの言っていたらあっという間に時間が過ぎていた。色々な旅行雑誌をぱらぱらとめくっているだけでも楽しいし、何よりもyogiboの人をダメにするクッションに寝転がれるのが最高だ。

フリードリンクで永遠に紅茶やスープ類が飲めるのもいい。おれはオニオンスープなら何杯でも飲める。

9月くらいにふわっと沖縄の方にでも行きたいね、というところから始まり、どうせなら本島じゃなくて離島がいいねという話になる。旅行ガイドを読んでいたら石垣島に良さそうなホテルがあってそこに泊まりたいという話になったのだが、いかんせんお高い。

何かの記念であればお高い宿でも良いのではないかと思い「じゃあ新婚旅行ってことにしましょうか」と提案したところぽかんとされた。そりゃそうだ、別に結婚する予定など全くないのだ(とはいえ今回の引っ越しについては向こうが「結婚を前提に」と明文化しているのでそこまで突拍子のない話ということもないと思っている)。

今のと違う名字が欲しいだけなんだ、分かってくれ……という気持ちも表明したが、最終的には「気が早い」と言われる。こうなってくるともう何を言ってもゼクハラになるので今後はやめておこうと思った。別に変なプレッシャーを掛けたい訳ではないのだ。

 

久しぶりに心から幸福だなと思えた週末だった。これは確かに1人では味わえない感覚だ。こういう日があると、ああしんどい思いをしてここまで来て良かった、投げ出さないで良かったと思える。

毎日の不安にも終わりはないが、こういう小さな幸せも同じく終わりがないのかもしれない。終わりが見えないことは相変わらず怖い。せめて、今日のように忘れたくない日のことはこうしてここに残しておこう。