かなりゆるめのゼラチン質の大地に立っている

大分サボってしまっていた日記を書くことを少しずつ再開しようと思う。書くことで整理するというプロセスを経ないと精神が少しずつ少しずつ軋んでいく気がしたから。

 

GW前半は色々なところに遊びに行くなどしてとても楽しく過ごしていたのだけれど、後半はホームシックや同居人への不平不満(めちゃくちゃ身勝手なやつ)に襲われて連日泣きながら過ごすという有様で、その地点から何歩か上の方に浮上した今、非情に自己嫌悪に襲われている。

冷静に考えて、家の中にしくしくしくしく泣いているやつがいるのは鬱陶しいが過ぎるし、他者との関係性において基本的には良い方に作用しないだろう。頭では分かっている、分かっているのだが、どうにも一旦感情が奈落の底まで落ちてしまうとなかなか自力では立ち直れないのだ。24年とちょっと生きてきて、今が一番自分の精神をうまく操縦できていないようにすら思える。不甲斐ない。どこまでも不甲斐ないな。

 

今日は私が食事当番だったので明太子と大葉のパスタを作った。ネットで見つけたレシピの通りオリーブオイルを投入したらすごく主張が強くなってしまって、明太子を二腹も使ったのに微妙な仕上がりになってしまい残念。同居人はおいしいといって食べてくれたけど、それでもなお悲しかったので食後にポテチを衝動食いして精神の安定を図った。予定調和的に満たされてほっとする。その後ラムネまで食べたので、完全にお釣りがきた。こういう微々たる幸せ貯金が翌朝目覚めたときに効いてくる。

 

仕事を終えて夕食を作る前に歯医者に行ったのだけれど、病院に行くと自分の金で自分のメンテナンスをしているぞ、という気持ちになっていい。お金が掛かるので最終的に全く良くはないのだけれど、その場は満たされるというか、何やらそんな感じ。

それから、今日は朝からずっと「やっぱり眼鏡を買わないといけないな」と考えていた。眼鏡を掛けるのがあんまり好きでないのでここ何年かはコンタクトだけで生活しているのだけれども、いつものもらいなどになってコンタクトを入れられなくなるとも分からないのだしやっぱり一本は持っておかないと、と急に不安になったのだ。今度の土曜日に買いに行こう。あんまり好きじゃないアイテムだからこそ、ちょっと良いものを買いたい。なんとか諭吉が二人と半分くらいで収まってくれたら嬉しいなと思いつつ、週末を楽しみにしておこう。

 

文章を書くのが好きだ。何かを書き上げて自分の語彙の貧困具合や凡庸な出来に落ち込むこともしばしばあるけれど(というかそんなことばかりだけれど)、その人にしか書けないものがきっとあるの精神でどうにかやっていきたい。

 

自分の欲求をうまくコントロールできない日々が続いている。一人で部屋にこもっていれば何も気にならないような些細な欲求が、二人になった瞬間一気にぶわっと身体の中で電気ケトルのように瞬時に沸きあがって、相手を困らせている。

気を抜いたらゆるゆると沈み込んでしまうような、ゆるめのゼリーの上に立っているような感覚だ。足場がおぼつかないので相手の腕をつかむのだけれど、相手はきちんと適切な量のゼラチンで固められた綺麗なゼリーの大地に立っているから、縋られてもきっと重たく感じるだけだろう。

 

困らせたいわけでもないし、思い通りにしたいわけでもなくて、突き詰めていけば二人が窒息してしまう直前まで一緒にいたいだけだ(もちろんそんな悲しい日は来ないなら来ない方がいい)。

まさか自分が「嫌いにならないで」なんてみっともない台詞を口にする日がくるとは思わなかった。こんなに情けなくてやりきれない気持ちになるのなら、最初からもっと人ひとり分の距離を飛び越えないでいればよかった。そんな風に考えては、ぱちぱちとあてもなくまばたきをしている。