本当に手があたたかい人は心が冷たいのだろうか

何かに追い立てられるように買い物をしている。
通勤の時に使うためのトートバッグ、来月の旅行に持って行くリュック。

冬物が結構ダメになってきていることもあって、来月はこれに加えてセーターだったりスキニージーンズだったりヒートテックのインナーだったりと、とにかく買い物にたくさん行かないといけない見通しだ。

大層浮かれているなと思いつつ、何の記念でもないのに人へのプレゼントも買った。クリスマスまでまだ1ヶ月もあるのに。

せっかくだから双方の気分を盛り上げるためにiPhoneで「あわてんぼうのサンタクロース」を掛けながら渡したらいいのでは?と思い立ち、電車の中でAppleMusicを検索する。

とても思いやりのある解釈をすると児童施設でボランティアでもするかのようだが、残念、私は唐突なプレゼントを渡すことの口実探しという100%自分のためだけの理由であわてんぼうのサンタクロースを何種類も聞いた。
結局、そうやって準備をしている自分の姿に耐えられなくて普通に渡すことにしたのだけれど。

 

前に付き合っていた人も、すごく手足を冷やす人だった。対して、私は原則いつでも手足がぬくい。だからなのか、手足の冷たい人を見るとあったかくしてほしいなあと思う。なので、半ば衝動的に寒い季節に活躍する類のグッズを買ってしまった。

幼い頃、母の手があたたかいと言うと、「よく手があたたかい人は心が冷たいと言うけど、心のあたたかさがにじみ出てるんだよ」と謎の持論を展開してきたことを思い出す。

 

人に贈り物を選んでいる時間が好きだ。好意の押し付けと言われればそれまでだが、プレゼントしたいと思うのだから仕方がない。

何の記念日でもなくても、生きているうちで何万回と経験するような普通の平日に、さっと渡して驚かれたい。喜んでほしい。

自分が好きだと思ったものを誰かにあげたいと思えるのはすごく幸せなことのような気がしているので、私が飽きるまで暫くはこのドッキリプレゼント作戦を密かに遂行していきたいと思う。