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私が本当にやりたいことは何だろう。ここ何日かはそんなことばかり考えている気がする。


文章を書くことは好きだ。映画を見ることも、音楽を聴くことも。ゲームだって好きだし、1人で好きな音楽に合わせて体を動かすことも好きだ。食べることも、寝ることも、温泉に入ることも。


好きなものはたくさんあって、そのどれもが私にとってとても大切だ。けれど、じゃあその中で自分が本当にやりたいことは何だろうと考え始めると、どうにも自分を納得させるだけの答えが出てこない。

 

彼と一緒にいるのは楽しい。多分、「彼といること」も、今の私の好きなもののうちのひとつだと言えるのだと思う。でも、これがこの先ずっと続くとしたら?  そう考えては、怖い怖いと尻込みばかりしている。


きっと、彼はこんなこと微塵も考えないだろう。そして、恐らく私はそれが悲しいのだ。


1人の人間と1人の人間が分かり合えないのは当たり前の話で、それは「私たちは違う」なんて軽々しく過信できるようなことではない。分かっている。分かっているから苦しいし、どうしてどうして、分かって欲しいと相手に縋る。それは決して無駄なことではない、そう思いたいけれど、他者と自分自身への諦めに満ちた彼の芯には私のそんな声は響かない。そんな気がしている。


一緒にいることがつらい訳でも、能動的に離れたいと思う訳でもない。彼といるのは楽しいし、彼と一緒に過ごす毎日は、きっと私にとって一生のうちにそう何度も経験できない日々になるだろう。


私が何も言わなければ、延命措置のような緩やかで穏やかな生活が続く。でも、その過程で、私は一体どうなってしまうのだろうか。自分が納得できる自分でいられるだろうか。


他者と一緒に暮らすことは、己の輪郭を少しずつ溶かしていくことだ。数年前、そんなようなことを書いたことがある。この考えは今でも変わっていない。けれど、あの時の私は、それがこんなにもざわざわと落ち着かなくなることだとは知らなかった。


1人の部屋ができれば、きっとまた違っていて、色々なことがすべて上手くいくのかもしれない。けれど、私は今溢れてしまいそうだ。


どうして分かってくれないのと喚くだけの度胸もなく、黙って日々をやり過ごすだけの静けさもない。


こういう日に限って、夜は一際に長い。